国会質問

2016年12月12日

問題だらけのF35B配置は許さない(11月21日決算行政監視委員会第2分科会)

衆議院会議録情報 第192回国会 決算行政監視委員会第二分科会 第1号

○大平分科員 日本共産党の大平喜信です。
 被爆地広島の出身で、核兵器廃絶を初め、平和を守る課題をライフワークにして取り組んできました。
 安倍政権は、今月十五日の閣議決定で、南スーダンPKOに関して、安保法制、いわゆる戦争法に基づく自衛隊の新任務として駆けつけ警護などを付与することを決めました。
 それを受けて、稲田防衛大臣は十八日、南スーダンPKOに派遣する自衛隊部隊に対し新任務に関する命令を出し、きのうその第一陣が出発をしました。憲法九条を踏みにじり、自衛隊創設以来初めての殺し殺される事態になりかねない今回の閣議決定と、そしてそれに基づく命令に、私は断固抗議をし、撤回を求めます。
 さて、政府は、去る八月二十二日、米国が二〇一七年一月から米海兵隊岩国基地へ戦闘機F35Bを配備する計画を山口県と岩国市に伝達、説明しました。F35Bの岩国配備計画は今から約四年前に米側から方針が示されておりながら、配備まで半年もない時期での地元自治体への伝達、説明になりました。
 岩国市民や周辺住民を初め訓練空域直下住民からは、これまで政府はF35Bの岩国配備は正式に決まっていないと繰り返してきた、余りにも唐突過ぎる、住民無視も甚だしいという声が上がるとともに、米国外では初の配備であり、政府の説明や地元自治体からの照会に対する回答をもってしても、今なお住民から不安の声が上がっています。
 昨日は、岩国配備反対の集会も行われました。私も参加をして、地元の皆さんを初め七百人の怒りの思いをたくさん聞いてまいりました。きょうは、このF35Bの岩国配備問題について稲田防衛大臣に質問いたします。
 F35B岩国配備計画については、去る二月二十五日の衆議院予算委員会第三分科会において、私の質問に対し岸田外務大臣は、まだ正式な通報等は受けていないと答弁をされました。
 きょうは、地元自治体に説明に出向かれた外務省の武井政務官においでいただいております。武井政務官にお尋ねしたいと思います。
 岸田外務大臣が言うこの米側からの正式な通報等というのは、いつ、どういう形で行われたのですか。さらに、この点について地元自治体にはどう説明をされたんでしょうか。
○武井大臣政務官 お答え申し上げます。
 日米両政府は、F35Bの我が国の配備につきまして、平成二十五年十月及び平成二十七年四月の日米2プラス2の共同発表において確認をいたしたところでございます。
 その後、この配備先の詳細につきまして日米間で協議を進めてきたところでございますが、先般、米国政府からF35Bを岩国飛行場に配備することについて説明がなされたことから、本年八月の二十二日でございますが、宮澤防衛大臣政務官とともに山口県及び岩国市を訪問いたしまして、地元に対し、知事さん、市長さん、また議会等を通じて御説明させていただいたところでございます。
 その際でございますが、私から地元の皆様に対しまして、米側から得られた情報としまして、この配備計画の概要につきまして、次のとおり御説明をさせていただいたところでございます。
 一つ、平成二十九年一月現在、岩国飛行場に配備されておりますFA18ホーネット三部隊のうち、一部隊十二機を十機のF35Bに機種の更新をするということ。また、その後、同年八月、同じく岩国飛行場に現在配備されておりますAV8Bハリアー部隊八機を六機のF35Bに機種更新をするということ。また、機種更新の対象となる現行機種は、F35Bの到着及び米軍の部隊交代の計画を踏まえまして、日本国外へ移駐する予定であるということ。結果といたしまして、このF35Bの配備に伴いまして、約四百六十名の軍人及び家族が岩国飛行場へ移動する予定となっておること。その一方で、現行機を日本国外へ移駐するということになりますので、約三百三十名が減少するということ。以上を山口県及び岩国市に御説明させていただいたところでございます。
 以上であります。
○大平分科員 そうした日本政府の対応に、地元自治体、地元住民からは大きな怒り、憤りの声が上がっております。
 二〇一七年一月に、FA18ホーネットのかわりにF35Bを岩国配備する計画は、約四年前から米海兵隊の海兵航空計画で方針が示されてきたものでした。また、ことしの三月二十三日には、米海軍省のスタックリー次官補が、ステルス戦闘機F35が米軍岩国基地に配備されるのは二〇一七年一月になる、この見通しを米下院軍事委員会小委員会の公聴会で証言しております。にもかかわらず、配備まで半年もないこの時期での米国からの通報、地元自治体への伝達、説明になったことは、私は重大だと言わなければならないと思います。
 地元住民からも地元自治体からも、これまで日本政府からの情報発信がなかったことに不満が述べられております。
 稲田大臣にお伺いいたします。
 地元自治体への説明が、配備が目前に迫って行われたことについて、日米交渉の当事者のお一人である防衛大臣としてどうお考えになりますか。御所見をお伺いいたします。
○稲田国務大臣 日米両政府は、米海兵隊F35Bの日本への配備について、平成二十五年十月及び平成二十七年四月の日米2プラス2の共同発表で確認をし、その後、具体的な配備先等の詳細について協議を行ってきたところでございます。
 F35Bの岩国飛行場への配備につきましては、先般、米国側から必要な情報が得られましたことから、先ほど武井外務大臣政務官から御答弁申し上げましたとおり、本年八月二十二日、地元に対して速やかに説明を行ったものです。
 政府といたしましては、地元に対する速やかな情報提供という観点から、米側とのやりとりを踏まえつつ、可能な限り早いタイミングで地元に御説明をいたしているところでございます。
○大平分科員 配備まで半年もないこの時期での伝達、説明というのが、先ほど大臣がおっしゃいました可能な限り速やかな説明、住民は全くこんなふうに捉えられないですよ。やはり、日本政府、防衛省は、米国に対して、遅過ぎる、そんなこと認められないとはっきり物を申さなくてはならないのに、それもせず、そのまま地元に押しつけてくる。まさに住民軽視、住民無視の対応そのものだと、地元でも怒りの声が上がっております。
 そこで、F35Bの配備の影響、問題点について具体的にお聞きしたいと思います。
 まず、F35Bの安全性についてです。
 アメリカ現地時間の十月二十七日、アメリカ・サウスカロライナ州の海兵隊ビューフォート基地所属のF35Bが、飛行中に出火事故を起こしました。米海軍安全センターは、最も重いクラスA、重大事故に登録をしました。
 この事故について、防衛省は、十一月八日になって山口県など地元自治体に情報提供をしています。事故が起こって十日ほど経過しての情報提供となっております。
 地元自治体が同計画について検討しているさなかですから、防衛省としては当然米側に、事故などが起これば即座に情報提供をしてもらうようにしていたはずだというふうに思いますが、米軍からはこの事故についていつ報告を受けたのでしょうか。
○岡政府参考人 お答え申し上げます。
 議員から御指摘がありました事案に関しましては、米側とのやりとりの詳細につきましては、相手側との関係もあることでございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○大平分科員 では、防衛省はこの事故をどうやって情報収集されたのでしょうか。お答えください。
○深山政府参考人 詳細については岡次長から今申し上げたとおりでありますけれども、我々は、この情報を防衛省の担当部局が承知いたしました後、速やかに、先ほど地元へ御連絡した日付についてはお話がございましたが、各関係自治体に御連絡を差し上げたところでございます。
○大平分科員 要は、皆さん方が岩国に押しつけようとしているその直前の時期に同じ機種が重大事故を起こしているのにもかかわらず、米側からの報告はあったのかなかったのかも含めて明らかにすることはできない、そういう姿勢を示されました。この一点をとっても、地元からすればとんでもない許しがたい姿勢だと言わなければならないというふうに思います。
 稲田防衛大臣に伺いたいと思います。
 少なくとも、このF35の出火事故が起こりましたから、この原因究明が行われ、その再発防止策がとられるまでF35B岩国基地配備は強行しない、その立場はいかがでしょうか。明確な答弁を求めたいと思います。
○稲田国務大臣 今般のF35Bの出火事案につきまして、現在、米側において原因等を調査中と承知をいたしております。
 防衛省といたしましては、米側に対して、事案の関連情報の速やかな提供と原因究明等の申し入れをしているところでございます。
 今般、米側から情報が得られれば、関係自治体に対し適切に説明をさせていただき、その上でF35Bの配備計画について御理解を得たいというふうに考えております。
○大平分科員 改めてもう一度確認したいと思いますが、原因究明が行われて再発防止策がとられるまでは配備の計画を強行されるということはありませんね。明確に御答弁ください。
○稲田国務大臣 現在、防衛省から、その原因を含め、関連情報の速やかな提供、もちろんその中には安全確認も含まれておりますけれども、そういったことの情報提供の申し入れをしているところであります。
 したがいまして、そういった情報が得られれば、しっかり関係自治体に説明をさせていただいて、御理解を得たいというふうに考えております。
○大平分科員 再発防止策がとられるまで強行されることはありませんかという質問に対して、なかなか明確な答弁をしていただけませんでした。
 万が一でもそうしたものが明らかでないまま配備が強行されれば、関係住民の理解を得られないどころか、怒りが沸騰することは間違いないというふうに思います。少なくとも原因究明と再発防止策がとられるまで絶対配備をしてはならない、このことを重ねて申し上げたいというふうに思います。
 F35Bの岩国配備にかかわる問題はこれだけではありません。
 F35戦闘機配備に伴って、米国では、アラスカ州、バーモント州、フロリダ州などの基地で環境影響評価が実施されたと聞いております。
 岩国基地の場合は、この環境影響評価、米国による環境レビューは実施されたんでしょうか。お答えください。
○岡政府参考人 お答え申し上げます。
 F35Bの岩国配備に当たって環境レビューを米側が行ったかどうかという御質問でございますけれども、この点につきましては、米側からは、F35Bの岩国基地への配備に当たって環境レビューは行っていない旨説明を受けているところでございます。
 なお、米国外の軍事施設におきます艦船、軍用機等の配備について米政府が行う環境レビューは、大統領令等に基づき一定の場合に実施することとされておりますけれども、常に義務づけられているわけではないと承知しているところでございます。
○大平分科員 ならば、お伺いをいたします。
 岩国基地はこれまでにさまざまな軍用機が配備をされてきましたが、では、そもそも、岩国基地における米国による環境レビューがこれまで一度でも実施をされたことがあるでしょうか。お答えください。
○岡政府参考人 現時点におきまして防衛省として知り得る範囲ということでお答えをいたしますと、過去、米側が岩国飛行場に関連して環境レビューを行ったとは承知しておりません。
○大平分科員 これまで米側による環境レビューは一度も実施されたことがないとのことでした。
 では、日本政府は、そもそもこれまで岩国基地関連の環境レビュー実施を一度でも米側に求めたことがあるでしょうか。私たちは、もとより配備そのものには絶対反対ですが、少なくとも米側に岩国基地における環境レビューを実施するよう求めることは日本政府として最低限の責任だと考えますが、稲田大臣、いかがでしょうか。
○稲田国務大臣 米政府の環境レビューは、大統領令等に基づいて米政府が主体的に実施するものであり、常に義務づけられているわけではないと承知をいたしております。
 防衛省として、F35Bの岩国配備に対して環境レビューの実施を求めることは現時点では考えておりません。
 他方、防衛省としては、米軍が周辺住民の方々に与える影響に妥当な考慮を払って活動することは当然のことであると考えております。今後、F35Bの実際の運用に関して、可能な限りの把握に努め、米側に必要な申し入れを行ってまいりたいと考えております。
○大平分科員 なぜ求めないのか。重大な変更が行われると思いますよ、このF35Bの岩国配備は。
 先ほど、一定の条件と言いましたか、一定の範囲と言いましたか、そういうときにはやる可能性はある、そんな答弁がありましたが、今度のF35Bの岩国配備は重大な変更が行われる。これは、少なくとも環境レビューを行うことは最低限の責任だと私は思います。妥当な考慮を図るというのであれば、大臣、まずこれを米軍に求めることは当然だと思いますが、もう一度お答えください。
○稲田国務大臣 米政府の環境レビューは、大統領令等に基づいて米政府が主体的に実施するものであります。
 いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、今後、F35Bの実際の運用に関して、可能な限り把握に努め、米側に必要な申し入れを行っていきたいと思っております。
○大平分科員 まさに米軍への追従ここにきわまれりと言わなければならないというふうに私は思います。決して住民は理解することはないということもはっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 防衛省のごまかし的なやり方はこれだけではありません。
 騒音の問題で、防衛省は、現在の騒音予測とF35B配備後の騒音予測コンターは示しているものの、今後予定されている厚木からの空母艦載機移駐後の騒音予測は示しておりません。艦載機移駐後に騒音がどうなるのかということは、周辺住民はもちろん、私の地元の広島県側などにとってみても、大変重大な関心事です。
 稲田大臣、F35B配備も、そして厚木からの空母艦載機の機種更新も含めた騒音予測コンターを速やかに示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○深山政府参考人 やや技術的な点もございますので、私からまずお答えを差し上げます。
 御指摘のとおり、岩国飛行場へのF35Bの配備につきましては、本年八月、米側から配備計画が示されましたので、同飛行場周辺において予測される航空機騒音による影響の変化を考慮した上で、航空機騒音予測コンターを作成し、御地元の皆様に御説明いたしました。
 他方、空母艦載機の移駐については、より具体的な移駐計画の内容について米側へ確認しているところでございます。その結果を踏まえ、その後、速やかにF35Bを含む空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターを作成し、御地元に説明いたしたいと考えておるところでございます。
○大平分科員 やはりここでも、騒音に苦しむ周辺住民の被害に真剣に向き合おうとしない、そういう態度だというふうに言わなければならないと私は思います。
 次に、F35Bの性能、訓練場所、運用の問題に質問を移りたいというふうに思います。
 F35戦闘機は核兵器が搭載可能な戦闘機だと私は聞いておりますが、間違いありませんか。稲田大臣、お答えください。
○稲田国務大臣 米国防省が二〇一〇年四月に発表した「核態勢の見直し」によれば、米国は戦術戦闘爆撃機及び重爆撃機に核兵器を搭載し前方展開する能力を保持するとされており、これは、将来的にはF35を含むとされていると承知をいたしております。
 なお、現時点において、米軍が保有するF35戦闘機がそのような能力を有するには至っていないと認識をいたしております。
○大平分科員 将来的には含む、そういう性能を持ったF35Bがこの岩国に配備される、被爆地広島をまさに範囲とする、そういうところに配備されるという重大な事項だと言わなければならないというふうに私は思うんですね。
 そうしたF35戦闘機、それでは、岩国基地に配備されると、どこで、どのような訓練を行うんでしょうか。
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 米側からは、F35BはFA18ホーネットまたAV8Bハリアーからの機種更新であり、これらの機種とほぼ同様の方法と場所における訓練が見込まれる旨の説明を受けておりますが、具体的な飛行運用について説明を受けているわけではございません。
 防衛省としては、引き続き、米側に対して情報提供を求め、得られた情報については御地元に対し丁寧に説明するとともに、米軍機の飛行に際しては、騒音面や安全面に最大限配慮しつつ、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけを行ってまいりたいと考えておるところでございます。
○大平分科員 現行の戦闘機とほぼ同様の方法、場所において訓練が見込まれるという御答弁でした。
 ということは、中国山地にある自衛隊の訓練空域、いわゆるエリア567を初め、訓練空域でもない中国地方の山間地、いわゆるブラウンルート、また四国のオレンジルート、こういうところで低空飛行訓練などをF35Bも行うということになります。
 米国防総省のF35Bの騒音データを見ますと、ミリタリーパワー時の騒音は、F35Bの方がFA18ホーネットやAV8Bハリアーよりも二デシベルから五デシベル大きいとなっております。つまり、訓練直下の住民の被害や苦しみはさらに増すことになる。
 稲田大臣にお伺いしたいと思います。
 F35B岩国配備に伴って、こうした訓練における住民への影響を調査検討されたことがあるでしょうか。
○稲田国務大臣 米軍が訓練を通じてパイロットの技能の維持及び向上を図ることは、即応態勢を維持する上で不可欠な要素であって、日米安保条約の目的達成のために重要だと思います。他方、米軍が我が国において飛行訓練を行う場合には、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであることも言うまでもありません。
 なお、防衛省としては、F35Bの訓練の場所や方法について、米軍の運用にかかわることであるため承知はいたしておりませんが、今後、同機が配備された後の運用状況を踏まえ、住民から苦情等があった場合には、米軍への問い合わせや申し入れを行い、必要に応じ騒音調査を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
 いずれにせよ、米軍の運用にかかわる事項ではありますが、防衛省としては、引き続き米軍に対し、米軍機の飛行に際しては、日米合同委員会合意を遵守するとともに、騒音面や安全面に最大限配慮しつつ、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけてまいります。
○大平分科員 F35Bが岩国に配備された後に騒音が増加しました、これじゃ困るんですよ、大臣。
 低空飛行訓練というのは日本の航空法では禁止をされているにもかかわらず、アメリカ軍機はこの航空法の適用から除外されています。世界を見ても、米軍機の自由勝手を許しているのは日本など一握り。私は、直ちに低空飛行訓練を中止させるべきだと強く求めておきたいというふうに思います。
 こうした訓練を行う米軍戦闘機ですが、これまでの戦闘機とF35Bとの大きな違いは、レーダーによって捉えづらいというステルス戦闘機だということです。レーダーで捉えられないのであれば、どこを飛んでいるかわからないとなるわけです。空の安全を守るためF35Bの位置情報を把握する手段というのは、レーダーのほかにあるでしょうか。
○岡政府参考人 お答え申し上げます。
 F35B、これをレーダーのほかに位置情報を把握する手段があるのかという御質問でございますけれども、通常、航空機は機体識別のための装置を搭載しておりますので、これによりまして位置情報を把握することができるものと承知しているところでございます。
○大平分科員 稲田大臣にお伺いいたします。
 米軍のステルス機は、日米共同訓練時も含めて、敵味方識別装置、トランスポンダーなど位置情報把握装置をオフにして飛行訓練することはないとはっきり言えますか。また、自衛隊は、F35Aを来年導入しますが、位置情報把握装置をオフにした飛行や訓練を命ずることはないというふうにはっきり言えるでしょうか。お答えください。
○深山政府参考人 やや技術的な点がございますので、私からまず御答弁申し上げます。
 米海兵隊のF35Bについて、自機の飛行に関する各種情報を発信する装置、今、岡次長からも答弁のありましたトランスポンダーでございますが、これをオフにすることはあるかどうかにつきましては、現在、米側に確認を行っているところでございます。
 また、自衛隊について申しますと、自衛隊に配備するF35Aにつきましては、トランスポンダーをオフにして位置情報を発信しない状況での訓練を行う予定はないと承知しております。
○大平分科員 どこを飛んでいるかわからない、そんな訓練をやられたんじゃ困るということで私は質問しています。オフにすることはないということが確認もされていない、こんな基本的なことが確認もされていないのに配備すると言っている。もちろん訓練空域以外は論外ですが、訓練空域であっても、識別装置をオフにして、どこを飛んでいるのかわからないという訓練を許せば、訓練空域に民間航空路が近接、密集しているこの日本で空の安全を守ることはできないではありませんか。
 大臣にもう一度お答えいただきたい。
 オフにした訓練など絶対に許されないと、アメリカ、米軍に求めるべきではないでしょうか。はっきり答弁をお答えください。
○稲田国務大臣 現在、米海兵隊のF35Bについて、自機の飛行に関する各種情報を発信する装置をオフにするかどうか、確認中でございます。
○大平分科員 はっきりした答弁がいただけませんでした。やはりここでも、国民の安心、安全よりも米軍を優先するという許しがたい態度であると言わなければならないと私は思います。
 F35Bの岩国配備は、軍事力の増強であり、岩国基地の機能の強化にほかなりません。日本が攻められていないにもかかわらずアメリカの戦争に協力する憲法違反の安保法制のもとでは、周辺諸国にとって軍事的脅威になるわけです。軍事力の増強に対して軍事力の増強で対峙すれば、とどまることのない軍拡競争、負のスパイラルに陥ることは明らかだと言わなければならない。
 きょうの質疑でも私が指摘をしてきたように、米軍による突然の通告、安全性の問題、環境レビューも行われない、核兵器も搭載できる戦闘機、低空飛行訓練でこれまで以上の被害をまき散らす、空の安全も守れないなど、まさに問題だらけ、問題山積のF35B岩国配備は絶対に認められない。岩国の皆さん、全国の皆さんと力を合わせて私は断固阻止をする、この決意を申し上げて、きょうの質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。