国会質問

2016年03月24日

岩国米軍基地強化を批判(2月25日予算員会分科会)

衆議院会議録情報 第190回国会 予算委員会第三分科会 第1号

○大平分科員 日本共産党の大平喜信です。
 私の地元、中国地方には、山口県の岩国市に、沖縄県以外で唯一のアメリカ海兵隊の基地があります。きょうは、岩国基地で目の前に迫っている艦載機の移駐の問題を中心に質問いたします。
 米軍岩国基地では、一九九七年から二〇〇七年にかけて、沖合二百十三ヘクタールを埋め立てて、滑走路を海側に一キロ移設する工事、いわゆる沖合移設事業が行われ、二〇一〇年五月から新滑走路の運用が始まっております。
 防衛省に確認ですけれども、滑走路沖合移設事業の目的は何だったんでしょうか。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 岩国飛行場につきましては、同飛行場の北側に石油コンビナート等の工場群があり、運用上及び安全上の大きな制約を受けてきたこと、また、市街地が近接し、騒音問題が生じていたことから、昭和四十六年以降、累次にわたって山口県あるいは岩国市から滑走路の沖合移設を強く要望されておったところでございます。
 このような状況を受けまして、同飛行場の運用上、安全上及び騒音上の問題を解決し、同飛行場の安定的な使用を図るため、滑走路を沖合へ千メートル移設を行ったところでございます。
○大平分科員 滑走路の沖合移設は、安全上、騒音上の問題解決のために行われました。住民の皆さんも、これで少しは騒音の被害が軽減するのではないかと期待もいたしました。しかし、実際はどうか。周辺住民の皆さんは、私は直接伺ってお話を伺いましたが、沖合移設後もほとんど騒音は変わらないと怒りをあらわにしておられました。
 二〇一〇年から始まったこの新滑走路の運用によって、騒音問題は改善されたんでしょうか。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 防衛省といたしましては、岩国飛行場及び同飛行場周辺の二十カ所におきまして航空機の騒音自動測定装置を設置しております。それによりまして騒音状況の把握に努めているところでございます。
 その測定結果によりますれば、新滑走路への移設後一年間と移設前の三年間を比較すると、WECPNL、これは航空機騒音のうるささをあらわす評価値でございますけれども、この値が、一部の島嶼部では横ばいまたは若干の増加の傾向が見られていますものの、全体としてはおおむね減少傾向となっており、同飛行場の騒音の軽減が図られているものというふうに考えております。
○大平分科員 増加もあるんですよね。この間、大幅に改善されているといいながら、沖合移設を行った後も全く改善されていない。
 実際に、私は、基地から約一・五キロの岩国市尾津町に住む六十代男性のお宅を訪ねてお話を伺いました。その方は、沖合移設後から騒音の記録を手のひらサイズのノートにつけ続けておられました。その記録を私も読ませていただきました。少し御紹介したいと思うんですね。
 三月十三日火曜日二十一時四十二分、雷鳴のような轟音。電話の会話を遮り、テレビの音をかき消すほどの大きさ。五月二十一日木曜日十三時四十分、岩国駅上空、縦横無尽、時折大音響。十一月十六日月曜日朝四時三十分、プロペラ機のエンジン音で目が覚める。大きな音ではないが、脳に響く。
 こうした記録がずっと続いて、今やそのノートも九冊目になっていましたよ。
 また、別の方。国が住宅防音工事の補助をしている指定区域内の旭町に住む七十代の男性は、沖合移設後も威圧感ある軍用機特有の音の聞こえ方はほぼ変わらないとお話をされ、膵臓がんを患って自宅療養をしていたときも、横になっても寝つけず、安静とはほど遠く苦痛だったと述べ、今も治療を続けておられます。
 岸田大臣にお伺いしたいんですけれども、大臣の地元、私の地元でもある広島のすぐお隣の岩国でこうした実態が起きている。大臣も大幅に改善がされているとお考えでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、こうした騒音の問題は地元の皆様方にとりまして大変大きな問題であり、深刻な問題であると考えます。そうした問題意識があるからこそ、岩国の飛行場の滑走路の沖合移設事業が行われたと認識をしております。
 こうした移設事業が行われるなど、さまざまな動き、取り組みを通じまして、全体として地元の皆様方の不安にも応えるべく、引き続き努力をしていかなければならない課題であると認識をいたします。
○大平分科員 資料を配付しました。一枚目をごらんください。
 これは、岩国市に寄せられた航空機騒音の年ごとの苦情件数のグラフです。新滑走路供用前の三年間の年平均が千五百六十五件、新滑走路供用後三年間の年平均が千七百八十二件。苦情件数で見れば、むしろ沖合移設後の方が多くなっているのであります。二〇一三年度単年で見れば、苦情件数は二千件を超え、過去十年で見ても最高の件数となっております。この一件一件に周辺住民の耐えがたい苦痛が込められているんだということを私ははっきり述べておきたいと思います。
 今でさえこうした状況であるのに、その上に、来年、二〇一七年にも厚木基地から空母艦載機が移駐されようとしております。
 そもそも、沖合移設工事が行われている二〇〇五年に突然艦載機移駐計画が発表され、まさに住民の皆さんにとっては寝耳に水でした。これ以上の基地被害は絶対に認められないと猛反対をし、二〇〇六年には艦載機移駐の是非を問う住民投票が行われ、投票者の九割近く、岩国市内全有権者の過半数が艦載機移駐に反対と明確な意思を表明されました。
 地元の住民がこうした意思を示しているのに、なぜ艦載機を岩国に強行しようとしているのか、大臣、お答えください。
○岸田国務大臣 空母艦載機の移駐先として岩国飛行場が選定された理由ですが、まず一つは、先ほど来質疑の中で出ておりますように、岩国飛行場においては、騒音あるいは安全上の問題を改善するために滑走路の沖合移設事業が行われました。
 そして、岩国におきましては、米軍の空中給油機KC130をローテーションで海上自衛隊鹿屋基地及びグアムに展開して訓練等を実施する措置を講じることによって、空母艦載機の移駐が行われたとしても現状より著しく悪化することはない、こういった判断があったものと承知をしています。
 そして、あわせて、抑止力維持の観点から、統合的な米海軍そして海兵隊の航空戦力を同一基地に集約し柔軟な運用を可能にする、こういった点も重視されたと承知をしています。
 我が国及びアジア太平洋地域における米軍の抑止力を維持するため、米空母及びその艦載機の長期にわたる前方展開能力を確保するという意義もあると聞いております。
 今申し上げましたような諸点を勘案し、岩国飛行場が選定されたものと認識をしております。
○大平分科員 今の大臣の答弁は、結局、沖合移設をして被害が軽減されたんだから、多少機数や騒音がふえても沖合移設前の状況と同じぐらいなんだから我慢せよ、そのように、周辺住民の皆さんの気持ちを逆なでするような答弁だと言わなければなりません。
 沖合移設は騒音被害の軽減のためだと言いながら、気がつけば新たな移駐計画によって米軍機百三十機近くが配備される巨大出撃基地にするという計画となっており、まさに住民の皆さんからすれば、だまし討ちそのものであると言わなければなりません。
 改めて防衛省に確認しますが、二〇〇六年の2プラス2最終報告で岩国基地に移駐、配備されるとされた機種と機数をお答えください。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐については、平成十八年の日米ロードマップにおいて、FA18、EA6B、E2C及びC2が移駐することを確認しており、移駐機数につきましては、当時米側から五十九機の航空機が岩国飛行場へ移駐するとの説明を受けております。
○大平分科員 その移駐によってどのぐらいの騒音が起こるのか。
 現在、住民に説明をしている騒音予測コンター図で想定をしている一日の標準飛行回数は何回ですか。
○谷井政府参考人 防衛省におきましては、自衛隊の飛行場では、民間空港とは異なりまして、日々の飛行回数の変動が大きいという事情がございます。そのため、飛行回数につきましては、一年間の飛行回数に時間帯による重みづけを行った後、一日の飛行回数の多い方から数えて一〇%、三十六日目でございますけれども、に当たる日の飛行回数を一日の標準飛行回数としてWECPNLを算出しております。
 平成十八年に作成いたしました岩国飛行場における航空機騒音予測コンターにおける米軍再編後の標準飛行回数につきましては、三百八十九回と予想しております。
○大平分科員 今の答弁をまとめた資料を配付しております。二枚目につけております。しかし、ここで示されている標準飛行回数から、既に現在、幾つも変更点があります。
 右下の黄色い囲みのところ、岩国から厚木へ移駐とされている自衛隊機P3などの十七機は岩国にとどまっているので、五十六回減るとなっている、この回数は減らない。右上の緑の囲み、普天間から岩国へ移駐とされているKC130は、ここでは十二機とされていますが、十五機へとふえています。間違いありませんね。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 平成十八年当時と比較をいたしますと、まず、海上自衛隊につきましては、地元の御要望も踏まえまして、EP3、OP3、UP3及びU36Aの飛行隊が岩国飛行場に残留したことにより、合計十七機が増加しております。また、KC130空中給油機につきましては、米側の運用上の理由により、普天間飛行場から岩国飛行場への移駐機数が十二機から十五機に変更されたことから、三機が増加しております。
○大平分科員 その二つの変更を加味しますと、ここでもともと防衛省が想定されていた、再編後三百八十九回とされている一日の標準飛行回数はどのぐらい増加することになりますか。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 平成十八年に作成いたしました岩国飛行場に係る航空機騒音予測コンターにおいて予測した米軍再編後の標準飛行回数につきましては、岩国飛行場から厚木飛行場へ移駐する海上自衛隊の岩国残留により、五十六回増加することになります。また、普天間飛行場から岩国飛行場へ移駐したKC130の機数が十二機から十五機に増加したことから、五回増加することになります。
 したがって、米軍再編後の標準飛行回数につきましては合計六十一回の増加ということになります。
○大平分科員 六十一回ふえて、約四百五十回になります。一日の飛行回数が三百八十九回から四百五十回へと増大します。大変な増大ぶりです。
 それだけではありません。さらに、厚木から移駐される予定の、この表では百三十回と書いてある、現在五十九機と言われている艦載機の機種と機数に変わりはありませんか。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐につきましては、平成十八年の日米ロードマップにおいてFA18、EA6B、E2C及びC2が移駐することを確認しておりまして、機数につきましては五十九機が移駐するというふうに説明を受けています。
 一方、空母艦載機の移駐につきましては、米側とさまざまな協議を行っておるところでございまして、移駐する航空機の機数や機種につきましては、米側の運用上により変更があり得るということでございますので、その協議の中で、移駐する前の適切な時期までに米側に確認してまいりたい、こういうふうに考えております。
○大平分科員 変更はあり得るという御答弁でした。
 しかし、先ほど答弁にもありましたが、この間のアメリカの運用の変更によって、現在厚木基地に配備されている移駐予定とされていた機種、機数もですね、既に変わっております。
 例えば、この表にもありますけれども、FA18ホーネットは現在全てFA18スーパーホーネットにかわっており、さらに、EA6Bプラウラーも、FA18スーパーホーネットをベースにしたEA18Gグラウラーにかわっている。間違いありませんね。
○谷井政府参考人 厚木におけます空母艦載機の航空機につきましては、FA18スーパーホーネットとEA18Gというものにかわっておるということでございます。
○大平分科員 間違いないとの御答弁でした。
 スーパーホーネットは、今現在岩国市民を騒音被害で苦しめているホーネットと比べても、騒音の被害は大きくなる、音の大きな戦闘機なんですね。つまり、防衛省がつくられて今住民に説明をされておられるこの騒音予測コンター図、あなたたちが当初の想定でつくったこの表から既に大きく変わっている、ふえている、大きくなっているんですね。
 機種と機数だけではありません。騒音の予測をするためには、さらに米軍機の飛行経路も重要な要素となります。
 ここで示されている標準飛行経路というのは、どういう想定をしているんですか。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 平成十八年に作成いたしました岩国飛行場に係る航空機騒音予測コンターにおきまして、米軍再編後の標準飛行経路につきましては、滑走路の沖合移設事業に係る環境影響評価の際に想定したものを用いております。
○大平分科員 その飛行経路は、日米で公式に合意されているものですか。
○谷井政府参考人 お答えいたします。
 米軍再編後の岩国飛行場の飛行経路につきましては、滑走路の沖合移設事業に係る環境影響評価の際に想定した飛行経路と同様のものとなる見込みでございまして、このことについては日米間で確認をさせていただいております。
○大平分科員 公式に合意はされていますか。お答えください。
○谷井政府参考人 文書等で合意をしているものではございません。
○大平分科員 つまり、飛行経路も、今回の艦載機移駐に伴って確定したものでもなければ、現在の飛行経路にあってもアメリカと公式に確約したものではありません。通常であればこのように飛ぶだろう、アメリカはこう飛んでくれるに違いないというだけにすぎない話なのであります。
 私は手元に昨年八月八日の地元紙中国新聞の記事を持っておりますが、ここには「低空飛行 広島市街地で多発 飛行コース多様化か」という見出しのもとに、米軍機が市街地を五機、六機と編隊を組んで縦横に飛び回っている様子を、広島市南区にお住まいの住民の方のリアルな証言に基づいて書かれております。
 今や、標準飛行経路、標準なんというものはなくて、飛行経路というのは極めて多様化しているのが実態であります。つまり、機種や機数、あるいは飛行回数はふえている。そして、飛行経路も不明確であるにもかかわらず、いまだにこの資料、予測コンター図を示しながら、現状よりも著しく悪化することはない、騒音の増加はないと住民の皆さんに説明をする。極めて不誠実な態度であり、こんなもので住民は誰も決して納得しないということははっきり述べておきたいというふうに思います。
 さらに、岩国市民の皆さんの不安は、艦載機の移駐だけではありません。二〇一七年には、F35Bステルス戦闘機も岩国に配備されようとしております。
 岸田外務大臣は、二〇一五年四月の2プラス2共同発表において、「二〇一七年に米海兵隊F35Bを日本に配備するとの米国の計画を歓迎した。」と述べておられます。なぜこの受け入れを歓迎したのですか。
○岸田国務大臣 米海兵隊のF35Bの配備については、二〇一三年十月と、そして御指摘の二〇一五年四月の日米2プラス2の共同発表において確認をしています。
 なぜ歓迎するという発表を行ったのかということでありますが、米軍がより高度な能力を有する装備品を我が国に配備することは、日米同盟の抑止力を強化し、日本及びアジア太平洋地域の安全に寄与するものであると考えております。そうした考え方に基づいて、この2プラス2に際しまして、歓迎するという共同発表を行った次第であります。
○大平分科員 とんでもありませんね。
 F35Bというのは、今現在岩国に配備されているFA18ホーネットと比べても音が格段に大きい。アメリカの本土でも配備反対で基地周辺住民が裁判に訴える事態にまでなっている戦闘機であります。つまり、これを岩国に配備するのかしないのか。岩国に艦載機移駐に加えてF35の配備まで行われれば、想像を絶する爆音被害が起こることは疑いありません。
 どうしてこんなことが歓迎できるというのか、お答えください。
○岸田国務大臣 歓迎するという言葉の意味は、先ほど説明させていただいた次第であります。
 そして、F35Bにつきましては、先ほど紹介させていただきました二〇一三年及び二〇一五年の日米2プラス2共同発表において、二〇一七年に我が国に配備が開始されること、これは確認しています。
 ただ、それ以外、配備先も含めて、詳細については引き続き日米間で協議をしていくことになると承知をしております。まだ正式な通報等は受けていないと承知をしています。
○大平分科員 在日米海兵隊の航空基地は、普天間と岩国しか日本にはありません。普天間に配備できないとなれば、残る選択肢は岩国しかないではありませんか。来年にも配備をしようと言っているのに、そんな無責任な態度は決して許されないと私は言わなければならないと思います。抑止力の一言で住民にさらなる爆音被害を押しつけることは決して認めるわけにはいかないとはっきり申し上げておきたいと思います。
 さらに、こうした岩国基地による被害は、基地周辺だけではありません。岩国から飛び立った戦闘機による飛行訓練によって、現在も、広島県北部、島根県西部などを中心にすさまじい爆音被害がまき散らされております。今度の艦載機移駐によって、こうした地域への被害もさらに広がることが懸念をされております。
 こうした地域への被害の影響調査や関係自治体への説明は行っているのでしょうか。
○谷井政府参考人 防衛省におきましては、低空飛行に係る騒音の問題につきまして苦情を受けた場合には、米軍に対し飛行の有無等の事実関係を問い合わせるとともに、機会あるごとに、飛行訓練について地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう米側に申し入れているところです。
 また、防衛省といたしましては、島根県知事あるいは広島県知事からの御要請を踏まえ、まずは、米軍機の飛行に係る苦情が多数寄せられている地域の騒音を把握する目的で、平成二十五年九月から島根県浜田市及び広島県北広島町に騒音測定器を設置し、試行的な騒音調査を実施しているところであります。
 空母艦載機の移駐後につきましても、引き続きこういった調査を実施するとともに、移駐後の運用につきまして米側に確認した内容や運用の実態を踏まえて、必要に応じて関係自治体に丁寧に御説明していきたいというふうに考えております。
○大平分科員 いや、答弁になっていないですね。艦載機移駐によってどれだけ被害が広がるかという懸念が広がっているんです。移駐後にどれだけ影響があるかというんじゃ遅いんですよね。
 つまり、オスプレイの配備のときにも、不十分ではありましたが環境レビューが行われました。今回はそれすらもやっていない。大変無責任な姿勢であると言わなければなりません。
 私は、先日、島根県に伺って、米軍機が繰り返し上空を飛行し、大変な爆音被害を受けているあさひ子ども園を訪ねました。園長先生からお話を伺いました。戦闘機の音が聞こえたら、直ちに外遊びを中断して子供たちを部屋に避難させる。子供の命や人権をないがしろにして何が防衛か、何が抑止力かと言いたい。
 また、浜田市旭支所の担当者の方からもお話を聞きました。住民の皆さんからは、小学校から帰ってきた子供がおびえて、落ちつきがなくなり、宿題もできないような不安定な状態、保育園の子供が泣き叫んだなどの声がたくさん寄せられている、こういうお話を伺いました。
 岸田大臣に改めて伺いたい。大臣は、この現状が果たして、今答弁もありました、最低限の影響にとどめられているというお考えでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、外務省としましても、地元の方々からさまざまな苦情が寄せられていること、これは承知しておりますし、こうした問題は地元の皆様方にとりまして大変大きな問題であるということは認識をしております。
 その上で、一般論として申し上げるならば、訓練等を行って搭乗員の技能を維持する、あるいは軍隊の機能を維持する、こうしたことは日米安全保障条約の目的を達成するために重要なことであります。しかしながら、重要であるとはいいながら、米軍は全く自由に飛行訓練を行っていいというわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な配慮を払って活動すべきであるということ、これはもう当然のことであると認識をいたします。
 この与える影響は最小限になっていると認識しているのかという御質問をいただきました。
 今申し上げました認識、考え方に基づいて、外務省としましても、地元の皆様に対する影響を最小限にとどめるよう、日米の合同委員会等の場を通じましてしっかりと申し入れを行っていかなければならない、このように考えます。ぜひこうした認識で努力を続けていきたいと考えます。
○大平分科員 決して妥当な配慮は行われておりません。園長先生のお話をもう一度繰り返します。子供の命や人権をないがしろにして何が防衛か、何が抑止力かと言いたい、この言葉を本当に私は受けとめて帰ってきたところです。
 今でさえ、こうした耐えがたい苦痛を強いている中で、岩国基地にさらに艦載機が移駐され、F35が配備されれば、中国地方全土の被害は一体どこまで広がるのか。しかし、政府は、米軍の運用の問題だとしてその最低限の調査も説明もしようとしない。低空飛行訓練は直ちに中止、艦載機移駐もF35配備も決して認められないということを重ねて訴えまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。