活動日誌

黒い雨被爆者のたたかいはこれからもつづく

FYKiWiiacAAmx-H小山美砂著『「黒い雨」訴訟』。黒い雨被爆者とその支援者たちの息づかいをも聞こえてくる、徹底取材に基づく歴史とたたかいの記録。「もしこのまま黒い雨への援護が認められなければ、黒い雨被爆者が生きた戦後は歴史から消えてしまう」――著者の強烈な問題意識と情熱に圧倒され食い入るように読んだ。「黒い雨の問題ってね、貧乏との闘いでもある。病気で十分働けなくって、お金が残るはずがない。国が勝手に戦争をして、病気だらけの人生を放っておいた。黒い雨で被ばくをして病気のひどい人は、死ぬ道しかないような気がする」――原告の一人、高東征二さんが著者に語った言葉。まさにこの問題の本質。高裁判決を踏みにじる「首相談話」に基づいてつくられた新審査基準の下、疾病要件によって再び切り捨てられた黒い雨被爆者が早速うまれている。やっぱりたたかわずにはいられない。この本もさらなる力にして。