アジアでは平和外交を重視、軍事では平和は作れない
岸田首相自身が参加した「アジア安全保障会議」。講演で岸田氏は「日本の防衛力の抜本的強化、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化」を強調したそうだが、一方、東南アジア諸国の国防相は揃って「本気の外交努力」についての実践と今後の提言を米中両国の国防相もいる前で堂々と演説。違いが鮮明に。インドネシアの国防相は「インドネシアは自覚的な選択をした。どちらの側にもつかない。いかなる同盟にも加わらない」「相互理解と意思疎通に努力すべきだ。われわれは50年間にわたる平和、友好的協力、繁栄を成し遂げたことを誇りに思う」と高らかにうったえた。ベトナムの国防相は「4つのノー」で自国の安全保障を実現すると述べた。「4つのノー」とは①いかなる軍事同盟にも加わらない②対立する国々の一方の側につかない③自国領域内に外国基地を置かず自国領域を他国への軍事攻撃に使わせない④国際関係において武力による威嚇や武力の行使をしない。シンガポールの国防相は例外なしの「武力による威嚇または武力の行使の放棄」を明記した東南アジア友好協力条約(TAC)をアジアで紛争防止の「核心的な手段」にすべきだと述べた。 いずれもまさに憲法9条の精神。日本も東南アジアと手を結び本気の外交努力で東アジアの平和を創出する先頭に立とう。