活動日誌

2016年05月13日

運営費交付金の拡充こそ必要―政府・文科省が進める大学改革を批判

大平喜信衆議院議員は11日、衆院文部科学委員会で指定国立大学制度創設などを盛り込んだ国立大学法人法改正法案について質問し、大学の自治や民主主義を侵害する政府・文科省主導の「国立大学改革」を批判しました。12日、13日付の赤旗記事を紹介します。

 

5月12日付「しんぶん赤旗」

学長選は大学の判断/馳文科相、大平議員に答弁

 馳浩文部科学相は11日の衆院文科委員会で、国立大学の学長選考の過程で行われている教職員の「意向投票」(学長選挙)について、「意向投票の実施の有無は各大学の判断だ」と述べ、意向投票を行うこと自体は問題ないとの考えを示しました。日本共産党の大平喜信議員が、新たに導入される指定国立大学法人について、「指定国立大の指定のさい学長選挙をやめさせるような介入をすることはないのか」とただしたのに答えました。

 馳氏は1月10日、新聞社との懇談で「組織内で意向投票をしている大学はガバナンス(統治)の観点から改革の意思があるのか疑問だ。(運営費交付金の)配分に関しては厳しく評価する」と述べ、学問の自由・大学の自治を踏みにじる姿勢を示していました。

 この日の質問で大平氏は、学校教育法改定の施行通知(2014年8月29日)で学長選挙が禁止されているのかと質問。文科省の常盤豊高等教育局長は、「意向投票は禁止されていない」と認め、指定国立大学の指定の要件ではないことを認めました。

 馳氏は、意向投票の有無は「各大学の判断」だとした上で「大学をリードしていくにふさわしいものが学長選考会議で主体的に選考されるよう大学人としての見識を十分発揮されることを望みたい」とものべました。

 大平氏は「教職員の意向を大学の管理・運営に反映させることは教育研究の発展にも不可欠だ」と指摘。「自治のあり方も大学によって異なることは国際的にもコンセンサス(共通認識)になっている」と強調しました。

 

5月13日付「しんぶん赤旗」

大学の自主性を侵害/大平氏 「指定国立大」を批判/衆院委で可決

衆院文部科学委員会は11日、「指定国立大学」を創設する国立大学法人法改定案を自民、公明、民進、おおさか維新各党の賛成で可決しました。日本共産党、社民党は反対しました。

 反対討論で日本共産党の大平喜信議員は、指定された国立大学は特定分野で海外の大学をモデルとした目標設定や大学運営を迫られ、自主自律性がないがしろにされるとのべ、「『指定国立大学』を財界・大企業いいなりの大学のトップランナーにして、高等教育全体を産業競争力強化、企業の稼ぐ力を高めることに従属させるものだ」と批判しました。

 国立大学に資産運用緩和による自己収入増を強いることは「高等教育に対する国の責任を放棄するものだ」と強調しました。

 同日の質疑で馳浩文科相は大平氏の質問に対し、指定国立大学が定める中期目標の作成主体は大学であり、指定申請も「法人の意思」と答弁しました。

 大平氏は、外国の大学とは歴史も違うのに細かな評価項目を設けるなど、「政府の上からの関与を強め、大学の自主性を侵害するものだ」と指摘しました。

 「大学改革」の名で行われた学長裁量経費への重点化や、大学への運営交付金削減などで研究力が落ちていることは、文科省の調査でも明らかだと指摘。研究を支える運営費交付金は重点配分の影響で多くの大学で減額となっているとのべ、「上からの『大学改革』の押し付けはやめて、運営費交付金の抜本的拡充こそ行うべきだ」と求めました。