エッセイ

2015年06月03日

平和構築へ世界の流れ実感・世界若手議員会議(「しんぶん赤旗」2015年6月3日水曜随想)

 先日、国会内でおこなわれた、世界166ヵ国が加盟するIPU(列国議会同盟)という国際組織が主催する、「世界若手議員会議」に参加をさせていただきました。この会合には、世界65ヵ国からc0349386_18275994245人の若手国会議員(45歳以下)が集結し、「平和を構築するために、世界の若者、そして若手議員はなにをするべきか」などをテーマに討論をしました。

 会議で印象的だったのは、「抑止力」という言葉がいっさい聞かれなかったことです。軍事増強などの議論もまったく入り込む余地がなく、皆さん共通して、若者たちへの教育活動を強めることこそ大事だと語っておられました。会議の最終報告書にも「我々はまた、自国の国家当局に対し、軍事予算を減少させることを含め、平和構築における若者の参加により多くの投資を行うよう要請する」と書き込まれるなど、ここにこそ、世界の力強い本流があるということ、そして、いま審議されている「戦争法案」がいかに逆行しているかということがあらためて確信になりました。

 また、会議の合間には、立食パーティーなどもあり、私も通訳の方に仲立ちしていただき、慣れない英語も駆使して、各国の議員さんたちと積極的に交流しました。

 フィリピンのある女性議員とは大学の学費の話題に。フィリピンは、国立大学の学費は半期で2万円、給付制奨学金もあり、ほとんど無料で通うことができるとのこと。私が「日本の国立大学の初年度納付金は80万円」と話すと、驚いて何度も通訳の方に確認をしていました。給付制奨学金もなく、少なくない学生が勉強時間を削ってアルバイトをし、学費や生活費をまかなっていることを話すと、「信じられない」とため息をついていました。

 また、交流したみなさんに「私は広島の出身です」「核兵器のない世界を築くためにも、ぜひ広島に来て、被爆者の話を直接お聞きください」と話すと、みなさん真剣な表情で、「その通りですね」「ぜひ機会をつくりたい」とおっしゃっていました。

 世界中で、平和と民主主義の構築へととりくむ若手国会議員のみなさんの奮闘や、国際社会のリアルな到達点に、たいへん大きな刺激を受けました。被爆地ヒロシマ出身の30代国会議員として、憲法9条を胸に、戦争も核兵器もない世界をめざして、あらためてがんばりたいと決意しました。