地震防災対策特別措置法の改正案へ意見表明(3月18日災害対策特別委員会)
衆議院会議録情報 第190回国会 災害対策特別委員会 第4号
○大平委員 私は、日本共産党を代表し、地震防災対策特別措置法の改正案起草に当たり、一言申し上げます。
地震が発生した際、住民の避難と当面の生活を確保し被害の拡大を防ぐ、地震防災対策のための施設整備に係る国庫補助率の引き上げの有効期限を五年間延長することは当然の措置であり、本起草案には賛成です。
阪神・淡路大震災では、大規模震災が全国どこでも発生する可能性があることが明確になり、それまでのいわゆる東海地震による被害が想定される地域に限定した対策では限界があるとして、本法が全会一致で成立されました。
全国で地震防災対策を進めることが喫緊の課題になっていますが、第四次地震防災緊急事業五カ年計画の進捗を見ても、現状は、大規模地震に対する備えとしては極めて不十分と言わざるを得ません。
第一は、一昨年の広島の土石流災害を見ても、災害に対する危険を無視した開発行為の横行により、災害による被害は減らすどころか拡大されているということです。東京など都市部への一極集中が進み、液状化や、地震による大規模火災などの危険が指摘される地域に人口や建築物が集中しています。開発を野放しにしたままの計画では、開発の後追いを際限なく行うことになりかねません。
第二は、期限の延長だけでは不十分だということです。不特定多数の人が利用する施設の耐震化など、地域の地震防災対策として必要な事業を計画に反映させること、また、学校の耐震診断に対する財政支援など、地域が求める事業を必要な規模とスピードで進めることが求められています。
第三は、耐震診断、耐震改修の対象を一九八一年以降の建築物にも拡大することです。老朽化や施工不良、また、東日本大震災の地震動などにより、多数の建築物の基礎くいが損傷する事例が広範囲で報告されています。建築した時期で耐震性に問題ないとする根拠はありません。
以上の指摘に対する政府の御所見を伺います。
○松本副大臣 広島の土石流が起きたとき、私はそこで現地対策本部長を経験させていただきました。東京・伊豆大島の土石流の現場にも立ち会わせていただきました。
大変思ったことは、地理的条件をしっかりと頭に入れた上で備えなければならないということ、失われた命と財産に対する悔しさというものを今も思っております。
委員指摘のとおり、今問われている一つは、対策をしていくスピード感、そしてもう一つは、国とそれぞれの地方自治体との連携、行政と国民との連携が問われていると思います。
委員御指摘の諸課題に対しまして、ハード、ソフト両面一体となって進めるよう全力で取り組んでまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。
○大平委員 以上で私の意見表明を終わります。
ありがとうございました。